文章の書き方:第27回「婉曲」(えんきょく)表現:言い切れない場合

「婉曲」(えんきょく)という言葉があります。

Googleで検索してトップに表示される解説を見ると婉曲とは、

「表し方が、遠まわしなこと。露骨にならないように言うこと」

とあります。

直接的に表現しないのは日本人ならではと思われがちですが、実は英語でも、特にフォーマルな場面では直接的な表現は避けるのが一般的です。

それはさておき、文章を書いていて思うのは「~だ」「~です」と言い切れることというのは、実は少ないんじゃないかということです。

例えば、空気に酸素が含まれていて、地球が太陽の周りを回っているのは、今では科学的、天文学的に証明され得るものなので言い切ることができますが、自分が知らないことであったり、事実関係が明らかでなかったりすることに対しては、「~と思います」「~と感じます」といったように、推測や感想を述べることくらいしかできません。

例がないと難しいですが、事実関係がはっきりしていること以外の場合は、以下のように断定を避ける言い回しを使うといいですね。

「~と思う(と思われる)」
「~と考える(と考えられる)」
「~と想像される」
「~と想定される」
「~ものと思う(と考える)」
「~と感じる(と感じられる)」
「~と推測する(と推測される)」
「~と推察する(と推察される)」
「~と考察する(と考察される)」
「~と分析する(と分析される)」
「~と捉えられる」
「~と言える(言うことができる)」
「~ではないか」
「~だろう(でしょう)」
「~じゃないか」
「~ありやしないか」
「~であろう」
「~という面がある」
「~という部分がある」
「~ところがある」
「~というところがある」
「~ときがある」
「~ことがある」
「~という場合がある」
「~(し)がちである」
「~の傾向がある」
「~という向きがある」
「~のよう」
「~のような」
「~というように、~というような」
「~といったような、~といったように」
「~という風な、~というふうな」
「思うに~だ(である)」
「~かもしれない」
「~の可能性がある」
「~は7割くらい(だろう)」←おおよその割合を示す

どの言い回しをよく使うか、使わざるを得ないかというのは、書く文章のジャンルにもよると思いますが、いずれにしても、同じ言い回しはできるだけ連続して用いないようにします。

日本語だけでなく、英語の助動詞や副詞を勉強すると、この辺りの微妙な婉曲や推測の表現に対する理解が深まるので、英語を勉強してみるのもよいかもしれません。

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